再び日記にてお題に挑戦したブツです。
例によりヒロイン満載ですので、苦手な方はリターンプリーズ。
OK、寧ろお宅のヒロイン大歓迎です。という方はそのままスクロールどぞ。

比率はバサラ:無双=7:3な感じ。
お題絵のおよそ半分がお題に則してませんあしからず。


























































僕から君へ10の言葉 01「おかえり」
任務から戻り、疲労した体が望むままに仰向けに寝転がる。
しばらくそのまま目を閉じていると、瞼越しに影が落ちるのを感じた。
頭上で衣擦れの音を聞き、目を開ける。
「おかえり」
目を細めながら柔らかに笑む彼女の顔を見て、嗚呼、自分は帰ってきたのだ、と実感した。


お疲れ佐助を労うヒロイン。
言葉を言ってるのが「僕」じゃないその1。
僕から君へ10の言葉 02「分かってる」
「おい……こりゃどういう事だ?」
「あれ、どうしたんですか政宗さんそのお顔。素敵なカイゼル髭が生えてるじゃぁないですか」
「そらっとぼけてんじゃねぇ。分かってるんだよ、お前がやったんだろ?」
「いやいやまさかそんな…私がやる訳ないじゃないですか」
「その手に持ってる筆は何だ」
「あ!そう言えばさっきあっちの方に走ってく怪しい兵士が…」
「それ、俺の目を見て言えるか?ああ?」
「ぶっ!ちょ…その顔近づけないで!笑うから!!」
「やっぱりテメェかぁぁぁ!!!


お休み中ダテムネにカイゼル髭落書きして胸ぐら掴まれました。
おお恐い恐い震えが止まりませんよbyヒロイン(反省してない)
僕から君へ10の言葉 03「嘘だよ」
「……という訳で、ここには城を守らんとして散っていった劉表殿の兵の無念が少なからず残っているのですよ」
「はぁ、そうですか」
「ですので、ちょっとした事では驚かないで下さいね」
「まぁ、分かりましたけど…一体何なんですか、急にそんな話をし出して」
「先程から気になっていまして。見えるんですよ、貴女の肩口に。劉表殿の兵の戦死者が」
「…………………ひぃっ!?(ばっ)どっ何処ですか!?どこにそれがっ!!?」
「ほら、その辺りに……」
「いやあぁぁぁやめて下さいよぉぉぉ!!!私怖い話好きだけどビビリなんですからぁぁぁ!!!」
「知ってますよ。安心して下さい、嘘ですから」
「………っおのれ孔明ぇぇぇぇっっ!!!」


ここぞという時の度胸はあるけど基本的にびびりなヒロインと、それをからかう22歳のショートコント(違
びびり過ぎて思わずどなたかの罵倒台詞を口走っちゃった一コマ。
僕から君へ10の言葉 04「泣かないで」
「あの臍曲がり〜っっ!!」
政宗にからかわれては敢然と立ち向かう意気は見せるが、一度も舌戦で勝てた試しはない。
その都度泣き言を言いに来る駆け込み寺が片倉小十郎景綱であり、
「虎哉禅師から授かった筋金入りの臍曲がりだ、政宗様は。易々と勝てる訳がねぇ」
「んなこた分かってますよ!でも一矢報いてやりたいんですよ分かりますかこの葛藤!?」
「十分すぎる程分かるが見込みがねぇ。諦めろ」
「うわーんっっ!!」
「ったく……あー泣くな泣くな」
それを仕方なく慰めてやる役もまた、片倉小十郎景綱の仕事なのだ。


山岡荘八「伊達政宗」を参考に、臍曲がり筆頭にやりこめられてこじゅに泣きつくヒロイン。
僕から君へ10の言葉 05「ひとつでいいんだ」
「佐助は食べないのか?」
まんじゅうの皿を手に、こちらを不思議そうに見る。
彼女を見ているとついつい口元が緩んでしまうのだが、そうして視線を送られているのが気になるらしい。
「良いの良いの。俺様の事は気にせずに食べてて」
「でも私だけ食べてるのも……もう一つ頼んだ方が」
「ひとつでいいんだよ」
こうするから。
言い様、一口大に分けられたまんじゅうを串で取ったその手を奪い、
そのまま口に運んだ。
僕から君へ10の言葉 06「待たなくていいよ」
「私が追いつくのを待たなくていいですよ。好きな所を見て回って下さい」
今日は貴女の成都観光が目的なんですから。
少しだけ振り返ってこちらを見る彼女に追いつきながら、自由行動を促す。
自分は彼女が迷子にならないようについてきただけなのだから、気にせず観光を存分に楽しんで欲しいものだ。
「いやー、でも一人だけ先行っちゃうのも悪いし」
「どれだけ先に行かれても必ず追いつきますから」
「うーん…いや!折角姜維と出かけてるんだから、やっぱり並んで歩くのが正しい!」
こんな美味しいシチュエーションを棒に振っちゃいかんだろ!
ぐっと力説する彼女の言葉には、聞いた事のないものも含まれていたが。
何となく、面映ゆい気持ちになった。


生姜繊維(酷)とお出かけ。
僕から君へ10の言葉 07「「ごめん」なんていらない」
「ど、どうなされた!?いきなり泣かれるなど…」
堪えきれず泣いてしまったのを見て慌てる幸村に、首を振る事で答える。
今口を開いてしまったら、言ってはいけない願いまで口にしてしまいそうだった。
「…すまぬ。某が何か気に障る事でもしたであろうか…?」
「違うの……ごめ…ちょっと、止まらない……」
「謝る必要などない!何か思う所あるなら、遠慮無く申して下され…」
心配してくれるその声にさえ涙腺が緩み、また首を振る。
自分が今ここでどう言おうと、恐らくはどうする事も出来まい。
嬉しさよりも、楽しさよりも、彼を目の前にして私の心を覆うものは、
彼の行く末。


つまりは大阪の陣の史実。
僕から君へ10の言葉 08「忘れてよ」
「私が蜀に帰ったら、私の事は忘れてね。私も忘れるから」
魏から蜀に戻れる事になった事を、両手放しに喜べない心残りが、一つ。
魏という国に一人来た自分にとって、彼の存在は随分と大きかったという事。
蜀へ帰ったら敵対しなければならない事の辛さ。
それから逃れる為に、彼とは出会わなかった事にしようと、忘れる事にした。
出会っていなければ、あるべき場所に戻るのにさえこんなに辛く思いはしなかったのだから。
「忘れませんよ。忘れられる筈がないでしょう」
目を合わせられない中、頭に触れるのは彼の手。
「貴女が蜀へ帰っても、私は貴女を忘れませんよ。敵対しようとも、貴女は私の」
大切な人なのだから。


蝶様とヒロインの身長差が描きたかった。
言葉を言ってるのが「僕」じゃないその2。
僕から君へ10の言葉 09「大好き」
「政宗様、ここはこの小十郎が道を開きます。その隙に脱出を!」
「ありがとう小十郎!そんな所が大好き!んじゃ私はちょっと外伝プレイしに物忌みするんで後は任せた!」
「お前に言ったんじゃねぇ!!外伝って何だ外伝って!!」


外伝発売当日の絵。
敢えて言おう。 ネ タ で す よ 。
外伝手に入れたら戦そっちのけで物忌みに入るだろうヒロイン@時代考証ガン無視。
言葉を言ってるのが「僕」じゃないその3。
僕から君へ10の言葉 10「さよなら」
「暇まで貰って、一体何処に行こうとしてるんだ?」
こちらを見ようとしない彼女の手を取って無理矢理振り向かせ、問う。
信玄に長期の暇を乞うた時に見せた、思い詰めたような表情が気になっての行動だった。
歩みを止められて反射的にこちらを見た目はすぐに伏せられてしまったが、
「…私は、武田が好きだ。好きだから、やっておかなくちゃならない事がある。行き先は…聞いてくれるな」
必ず、戻ってくるから。
口元の笑いだけを見せながら、掴まれた腕をやんわりと引き離す。
「……さよなら。」
多くを語らずに、彼女は去っていった。

どこかで鴉が啼いている。


言葉を言ってるのが「僕」じゃないその4。










2008.8.4
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