Imparable










「う……あっ、あんっ……!」

 顔を押し付けた枕に、自らの熱を孕んだ吐息が染み込む。
うつ伏せにされ引き上げられた腰、露わになる秘部に、幾度も熱い楔を打ち込まれ。

高みが見え思わず仰け反った背へ、逞しい体躯が覆いかぶさってくる。

「んんっ……!!」

体が震え、呑み込んだポルナレフ自身を引き絞るように、中も痙攣する。

苦しげに息を詰める音が、耳の傍で聞こえ。

一度大きく脈打つと、ポルナレフはの中に、自身よりも熱いものを吐き出した。

「……

朦朧とした意識を抜けて、甘く優しく、掠れた声が吹き込まれる。
それに導かれるように、白く染まった意識が徐々に輪郭を取り戻していく。

涙で滲んだ視界には、しわくちゃになった白のシーツを握り締める右手が見えた。
快楽に堪えようとした無意識の名残があるそこに、一回り大きな手が重なる。

「大丈夫か……?」

そっと拳を解く節くれ立った指先がの手に絡められる。
晒した頬にはついばむ様なキスが落とされ、放心していたを満たしていく。

「ん……ジャ、ン……」

それを唇へくれと、名を呼び体を捻って訴える。
触れてくれるならどこへでも嬉しいものだが、今こうしている時ばかりは欲しい場所は決まっているのだ。

ポルナレフはそれに答え、が少しでも楽なようにと身を乗り出した。

「っあ……っ!?」

僅かに体位が変わったことで、は身を震わせた。
未だ己の最奥はポルナレフのものに貫かれたままで、身動ぎ一つ取ってもその存在を主張してくる。

己の中でぬるりと滑る感覚に、逃れようのない快感が背筋を駆け上った。

「あっ、ちょっと、待っ……!んっ」

慌てて制止するのも聞かず、更に身を乗り出したポルナレフに唇を塞がれる。
強引に侵入してきた舌に、自分のそれを絡め取られ、貪られ。
求めていたのはこちらの筈が、いつしか奪われていた。

背後から組み敷かれていては身を引くことも出来ず、ただ為されるがままキスを受け入れる。

これに本気で抵抗できれば、逃れるのも難しい話ではないのだが。
奪われ、与えられるこの状況に、抗いがたい悦びを覚えてしまっている自分がいる。
それが一番、性質が悪いのだ。

ポルナレフの空いている方の手が、とシーツの隙間へと滑り込む。
柔らかな胸の膨らみに指を這わせながら、手探りで辿り着いた胸の頂を擦り合わせるように摘まれる。
そこから生じるじりじりとした疼きをもどかしく感じ、つい身動いだ拍子に、

「あっ!」

己の中にあるポルナレフのものが、再び大きく、熱くなっているのに、気が付いてしまった。

「は、ジャン、また……?」
「悪い、止まらねえ。このまま、もう一度……な」

あやすように一度軽いキスを落とし、ポルナレフの顔が離れていく。
姿が見えなくなったその代わり、背中に再び感じる彼の肌。

胸に添えられていた手はの腰へ下り、支える。
ゆるり、中を掻き混ぜられ、制止の言葉は短い嬌声に呑み込まれた。

初めはゆっくりと小さかった動きが、徐々に大きく激しくなっていく。
二度目ともなれば体はすぐに順応したが、思考を掻き乱す強すぎる悦楽の波に、はいやいやと首を振る。

「や、ああっ……!じゃん、ジャンっ!熱いっ……やだっ……!!」
「これが、嫌がってる反応かっ……?」

彼が腰を使う度に、繋がった秘部からは水音が立ち、擦られた内壁がひくひくと収縮を繰り返す。
一度先端まで引き抜かれると、彼の吐き出したものと己の蜜が混じり合ったものが掻き出され、とろりと大腿を伝った。
そこからすら小さな快感を得、ふるりと身を震わすに、直後一気に深く貫いた熱の塊が大きな波を与えていく。

直接的な性の刺激。
背中と、繋がれた右手に感じる、己を包み込む彼の体温。

取り巻く全ての事象が、を再び抗えない高みへと追い込んで行く。

「や、ぁああっ……!」
……」
「!ひ、あっ……!!」

眩暈を覚える程の快楽に呑み込まれる中、囁かれた名前。
それが止めとなって、は二度目の果てを迎え。

収縮する己の中に、ポルナレフの欲が注がれるのを感じた。





 汗ばむ項に触れてきたのは唇だろうか。
ちりと痛みが走り、その感覚は項から背中へかけ少しずつ下っていく。

腰を支えたまま腹部や脇腹を撫でる掌に、を解放しようという素振りは見られない。
埋め込まれたままの彼自身に、未だ止まるつもりのないことを知る。

もまた、止めるつもりはない。

動くのも億劫な程の疲労に襲われる中、最中にも繋がれたままだった右手を引き寄せる。
の手を覆うように指を絡めた、ポルナレフの掌。
その指先へ唇で触れ、そっと頬を摺り寄せた。

今宵は何処まで行くのだろうか。










「Unstoppable」って仏語で何て言うんだろ、って思い付きからここまで膨らみました。
想像の翼広がりまくりでした。
ついでにいいタイミングで診断メーカーさんに

ポルナレフと新で『交尾のような』話をかきます。(http://shindanmaker.com/526860)

という診断を下されたので書くなら今しかないな、と。←




2014.4.29
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